2025年03月13日 木曜日
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[探求の種 vol.003] 「日本一のCS(コミュニティスクール)委員会立上げ時の苦悩…」

探求の種とは・・・

このコーナーでは「探究の森」に集まる人のコラム集です。思考は行動の「種」。
今思っていることや悩んでいること、学びの思い出など、ここで文字にすることで何かが生まれていくのではないかと思っています。
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皆さんはコミュニティ・スクール(CS)という言葉を知っていますか?

「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」への転換を図るための有効な仕組みです。コミュニティ・スクールでは、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進めていくことができます。」と文部科学省のHPに明記されています。https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/community/

2019年4月、板橋区立板橋第十小学校のコミュニティ・スクール委員会(以下、CS委員会)は突然立ち上がりました。当時の板橋区教育長の命により区内小中学校73校に一斉にCS委員会を立ち上げたもののうちの一つです。私、塚本はその時副委員長を拝命しました。
 今でこそ全国から視察が訪れる当CS委員会ですが、この5年間は紆余曲折ありました。自称ですが日本一と言えるのは、それだけたくさんの方がその運営に関わって熟議を重ねてきたからであります。CS委員会に完成形としてのカタチは無いと考えますが、毎年進化し続け、校長が変わっても安定的な運営ができる、そんな板十小CS委員会です。
 当時板十小(板橋第十小学校)の校長は中川さんでした。2019年はまず準備期間ということもあり、CS委員長は中川校長、副委員長は塚本が引き受けることになったのです。自分を副委員長に指名したのは、次年度以降CS委員会本格始動の際に、委員長は学校長ではダメらしく、次年度の委員長を見据えた人選だったそうです。また、自分を人選したのは当時のPTA役員からの推薦との事でした。
 当時校長の中川さんは、CS委員会立ち上げ当初のCS委員人選について、区の教育委員会から示唆された人選事項に伴いこのようなメンバーをそろえました。
・中川校長(委員長)
・塚本(副委員長)
・PTA会長
・町会長(7名)
・都立高校校長
板十小は学区内に7つの町会があります。CS委員定員10名に対し7つの町会の会長が人選されておりました。学校長は地域人財を巻き込むにあたり、彼自身が持つ地域の人脈考えます。ところが当時の学校長の住まいが学区内ではなかったためCS委員の適任者を学校長のみで判断することは難しかったようです。
 初年度の板十小CS委員会は「熟議」を推奨されているのもかかわらず、建設的な意見交換はできませんでした。学校や子供、保護者の批判や不満が大半を占めており、CS委員会終了後、学校の管理職と頭を抱えていた当日の光景が思い出されます。 

CS委員会の委員がどれだけ当事者意識持って参加できていたのか?

そもそも、CS委員会とは?ということが何も分からないままいきなり任命、承認された訳ですから仕方がないところもあると考えます。それら全てがマイナスに作用した結果だったのではないかと今更ながら感じております。学校側も、地域側もCSを理解している人が皆無に等しかった状況でしたので、当然といえば当然の結果でした。

CS委員会は学校ありきで動く組織であり、地域側が自由に面白おかしくイベントするためだけの組織ではないのです。CS委員会は会社における意思決定のできる取締役会のようなものであり、地域人財のCS委員は外部取締役にあたると考えます。その組織や人財がどのような意識のもと活動する必要があるか、そのことについてまた考えていきたいと思っています。

 

2025年1月
塚本 忠行
Magical Reading -Labo代表(地域活動実践家)

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